コラム
社長の性格が分かる?税理士が決算書から読み取れるものとは

社長の性格が分かる?税理士が決算書から読み取れるものとは

※このコラムは「三井住友カードBiz」2024年3月号に掲載されます。


税理士は直接会わなくとも決算書を見るだけでその会社の経営者の性格が読み取れることがあり、その後実際にお会いした時に決算書通りのイメージだったこともあります。
今回は大変失礼であることを承知の上、決算書を読み取るために注目すべきポイントについて解説いたします。


■経営者の性格を読み取る際に見るべきポイント

(1) 派手好きな経営者の決算書でよく見られる勘定科目
経営者のイメージの一つとして交友関係が多い、華やかで派手好き、と言った印象をお持ちの方は多いと思います。
そういった方の決算書に多額に計上されている勘定科目としては仮払金、役員貸付金、車両、交際費等です。また役員報酬も多額であることもありますが、それでも利益が出ていることも多く、派手好き=お金に弱い、とは限りません。


(2) お金にルーズな経営者の決算書の特徴
また一般的なイメージとして細かいことには拘らない、お金に少しルーズという印象も良く聞きます。こういった方の決算書の特徴は、現金(預金ではない)が異常に計上されている、仮払金、役員貸付金、固定資産も多く、給与が多い(自分の分も従業員の分も)、何らかの費用科目(雑費・福利厚生費・消耗品など)が異常に多い、などが挙げられます。なお現金については異常なのは帳簿上のみで、実際には現金が決算書ほど持っていないことが大半です。
要は使徒不明で費用化出来ていないものがあるということです。こちらは利益が出ていないこともありますが、人情派で人から愛される経営者が多い気がします。


(3) 決断力に乏しい経営者の決算書の特徴
経営は決断の連続であり、顧客・従業員・仕入先など幅広い利害関係者に影響を与えることから、一般の方の決断よりもプレッシャーが大きく掛かりますので、決断することを避けがちな経営者の方もいらっしゃいます。
こういった方の決算書の特徴としては固定資産が多い、借入金(役員借入金含む)が多い、収益が同業者より少ない、人件費(自身の役員報酬は少ないことも)が多い、などが挙げられますが、優しく、物腰が柔らかい方が多い印象です。


■決算書は健康診断と同じ 経営者の人生が現れる

決算書は時に健康診断に例えられます。健康診断で問題があった場合にはその人の生活習慣や考え方が数値に反映されるので、その人の人生が反映されています。決算書も同様で特に貸借対照表(BS)に関しては設立してから現在までの積み重ねが現れていますので、経営者の人生そのものと言っても過言ではありません。
ちなみに、損益計算書(PL)はあくまで1年間の成績を表すものなので、例えるなら「1年間で◯◯キロ痩せた」などとなります。


■私が出会った「美しい決算書」

私が関与させて頂いているお客様で「これは美しい決算書だな」と感じたことがあります。特徴としては利益が同業者平均以上出ている(収益がしっかり確保されており、費用も抑えられている)、BS科目数が少ない又あっても現預金以外の金額が僅少、現預金が十分にある、などが挙げられます。
経営者の特徴としては、数字にある程度強い、感情よりも原理原則に重きを置いている、穏やかであるが時に厳しい、など人格者と言える方々だと思います。


■上記の(1) 〜(3) に当てはまった場合の考え方

上記の(1) 派手好きな経営者、(2) お金にルーズな経営者、(3) 決断力に乏しい経営者のいずれかに該当したと感じたとしても、それ自体が悪いことではありません。
大事なことは出てきている結果にご自身が納得しているかどうかです。納得されているならば特段行動は変える必要はないと思いますが、思ったより利益が出ていない、キャッシュが全然貯まらないなどの悩みがあるのであれば考え方や習慣を見直す必要があるかも知れません。


米本合同税理士法人では、全ての経営者のお金の悩みを解決するため、決算書分析、キャッシュフロー分析から節税提案、経営計画策定支援、費用削減提案、経理フローの見直しなど様々な支援を行っています。
利益をより計上したい、キャッシュフローを改善したいと考えられている方は是非一度ご相談下さい。

税理士 大川 智弘

 

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