コラム
税理士と契約する前に検討すべき4つのポイントとは?

税理士と契約する前に検討すべき4つのポイントとは?

※このコラムは「三井住友カードBiz」2024年5月号に掲載されます。


税理士と初めて契約する場合や税理士の変更を検討する場合、何を基準に検討すれば良いか悩まれる方は多くいらっしゃいます。今回は税理士選びのポイントとして4つの項目をご紹介いたします。


■税理士選びにおいて検討すべきポイント4点


【1】経営者目線に共感できるか
経営者は、(1) 従業員と比べて経営に対して負うリスクが異なる、(2) 経営者は給与を支払う側で、従業員は給与を受け取る側、などの理由により孤独であると言われています。また事業を継続するために非情な判断(実際は周りから見て非情に見えるだけであることも多い)を強いられることもあるなど、一般の方とは違った立場・考え方を持っています。そのため、税理士は経営者のパートナーであり理解者である必要があります。税理士は一般社員としての視点だけでなく、このような経営者の事情を理解し、共感できることが重要になります。
特に経営者がプレイヤーでは無く、経営に専念しているほど経営者目線は重要となります。
なお、経営者目線であれば税理士事務所の所長が一番良いのでは、と思われがちですが、税理士事務所は平均従業員数が5名と言われており、所長であってもプレイヤー色が強いことも多く、経営者としては話が合いにくいこともあります。


【2】十分な経験があるか

次に大事なことは十分な経験があるかどうかです。経験と言っても何を聞けば良いかわからない場合は、まずは経験したことのある会社規模を確認してみましょう。自社と同等、又は大きい規模の経験が十分であれば、経験としては問題ないと思います。また特殊な業種であればその業種の経験も必要ですのでその点も確認することをお勧めいたします。
なお、経営の経験については前述の通り、税理士は基本的にプレイヤー色が強く経営の実体験は少ないのでそこはあまり考えなくて良いかと存じます。ただし経営者の気持ちや考えを理解できそうかは見る必要があることと、数字からの助言やアドバイスが出来るかが重要です。


【3】サービスの範囲が合致しているか
希望のサービス内容とその税理士が行っているサービス内容に相違がないかの確認も必要です。基本的な業務であっても確認した方が後々のトラブル防止になりますので、税理士変更を検討する場合はまず現在の業務内容のリストアップをすることをお勧めいたします。参考までに弊社で行える業務を下記に一覧でまとめました。


◆ 企業のお客様・医療のお客様の双方で行えるもの

<会計・税務関係>
毎月の訪問・月次報告
税務調査の立ち合い(税務署からの連絡後の直前打ち合わせを含む)
OB税理士による税務調査立会
月次試算表及び決算書の作成
法人税・地方税及び事業税の申告書作成及び税務代理(予定申告・修正申告含む)
消費税の申告書作成及び税務代理並びに適切な課税方式の選択及び届出(予定申告・修正申告含む)
税務関係各種申請書・届出書の作成及び提出
減価償却資産の登録
特別償却・特別控除等の申請・申告等(例:経営力向上計画)
年末調整の監査業務
法定調書合計表の作成
給与支払報告書の作成
償却資産申告書の作成
各種議事録の作成
決算登記・役員変更登記その他の登記業務(提携司法書士に依頼)
納税予測
CF予測
予算作成・実行管理
中期経営計画作成支援
法人税・所得税・消費税節税のアドバイス
費用削減コンサルティング
法人成りシミュレーションの作成
融資に向けた事業計画書の作成
代表者連帯保証の解除に向けた支援
ふるさと納税限度額の計算
経理担当者への指導
経理業務の効率化の提案
経理業務の業務効率コンサルティング(MFによる会計業務のIT化・給与明細、年末調整の電子化)
代表者のライフプラン作成
インボイス対応
電子帳簿保存法への対応
保険提案(節税)
保険提案(投資)
保険提案(必要保証額を元にした適切な保険金額の設定)
保険提案(損害保険)
オペレーティングリースの提案
法人成り
税務ドック
M&A支援
組織再編(合併など)


<相続関係>
相続税申告
相続試算
相続手続
遺言書作成支援
遺言執行
相続税節税のアドバイス
自社株・出資評価
自社株・出資評価を元にした事業承継のアドバイス


<その他>
補助金情報提供
DXを利用した業務効率化の提案
労務関係アドバイス
ITに関するアドバイス
規定の見直しに関するアドバイス


◆ 医療のお客様特有のもの
同業他社比較(診療単価・人件費率など)
医療情報の定期的な提供
各都道府県への届出書作成業務
医療法等に関する相談業務
非医師理事長承認手続き
分院開設手続き
定款変更
法人成り(医療法人)
法人成り(一般社団法人)
一般社団法人立の診療所
認定医療法人
社会医療法人
特定医療法人
一般の持分なし医療法人(贈与税課税型)
一般の持分なし医療法人(贈与税非課税型)


例えば弊社の場合だと給与計算(年末調整は除く)については特別な場合を除き行っておりませんし、会社規模によっては対応できない業務もあります。


【4】税理士の資格がある人の方が良いのか

税理士業においては税理士という資格を持っていなくとも、税理士事務所で働く従業員として税理士の監督の元で同じように業務が可能です。
今、税務知識はインターネットなどで容易に入手できる時代であり、また基本的な税務知識は働きながらでも身につきますので、日々の業務としては税理士とその従業員ではそこまで差がないかも知れません。
ただ、特殊な取引が出た場合など、「これはもしや税務的に問題では?」と税務的な「カン」が働きやすいのは税理士で、そういった意味でのお客様のリスク回避をしやすいという点と思います。
なお、税理士は私も含めてですが、少し個性的な人が多いように感じます。この辺りは最終的にはフィーリングや第一印象などで判断することになります。


いかがでしょうか?税理士選びのポイントとしては他にも料金、事務所の規模、PCやITに強いか、など他にも考慮すべき点はあります。当記事が皆様の税理士事務所選びの参考になれば幸いです。


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