会計事務所から見た経営計画・予実管理の重要性と作成運用のポイント
※このコラムは「三井住友カードBiz」2025年3月号に掲載されます。
経営計画は数値管理のみならず、社内や社外に事業体の方向性や見通しを示す重要な羅針盤です。
今回は中小企業の経営を間近で見てきた会計事務所の目線から、経営計画・予実管理の重要性と作成運用のポイントを解説いたします。
★ 経営計画・予実管理の重要性
■ 事業運営における仮説検証面での重要性
事業運営における利益予測を行う上で、様々な経営資源に応じて様々な仮説を立てることが必要です。(経営計画)
作成した経営計画と実際の損益を基に経営計画の検証を行い、事業の改善点の把握と改善案の策定を行うことが必要です。(予実管理)
この経営計画の作成と予実管理による現状確認と問題点の把握を定期的に行っていることにより事業の見直しの機会を作ることができ、業績が良い事業体様においては日々実践がなされています。
■ 資金調達面での重要性
金融機関から融資を受ける際の融資審査において、実現可能性と確実性がある経営計画で根拠がある利益予測を計上できれば融資決定に重要な影響を与えられます。
融資後においても予実管理を行うことで金融機関と現在の経営状況や課題の共有が詳細に行うことが可能となり、信用力の向上と未来の融資決定によい結果をもたらします。
■ 組織の方向性を共有することの重要性
事業体は様々な人間の集まりですが、一人一人がそれぞれ別の目的に向かっている組織は推進力や突破力がありません。社内向けにも経営計画を示し、組織の方向性・方針・数値的な目標を共有・理解しあうことで組織に対する愛着心やモチベーションがあがる効果があります。
★ 経営計画の作成運用のポイント
■ 数値目標は収益費用の項目ごとに要素分解を行い具体的に設定する
収益、費用の細かな要素分析と具体的な数値の落とし込みが重要です。例えば、目標売上を達成するための構成要素(顧客数、顧客単価、販売方法、商品種類等)ごとに目標設定が必要です。
また、その要素分解を行なった数値について予実管理を通じて進捗確認を行います。
このプロセスを行わず、現状分析が十分でないと問題点の把握ができない恐れがあります。
■ 数値目標を達成するための個々の行動計画を策定する
目標数値の達成には事業体を構成する個々の一人一人の行動が目標達成の成否を決めます。
個々の行動計画について部門長などを通じて丁寧に検討・策定していくことが数値目標達成の近道となります。
■ 想定外のリスクも想定する
事業体の運営において想定外のリスクはつきものです。目標の達成を主眼に経営計画の作成を行いますが、予期せぬ人材流失・不祥事発生・情報漏洩・取引先倒産等のリスクは存在します。
これらを念頭においた対策費用の計上、内部統制の見直し、内部留保の確保等を行い、不足の事態への準備を考えることも重要です。
★ 予実管理の作成運用ポイント
■ 予実管理はシンプルに行う
予実管理における実績管理に手間や労力がかかっているケースがあります。
特に営業担当者など顧客との時間が重要な職種にとっては問題になってしまうこととなります。
実績管理は社内の基幹システムの連動などによりなるべく時間をかけずにシンプルにし、改善点や改善行動の策定により時間をかけることが重要です。
いかがでしたでしょうか。
実際の経営計画・予実管理は、事業体に関係する方と協力して作りあげていくものです。
米本合同税理士法人では顧問先様の経営計画の作成、予実管理の支援も積極的に行っております。これら以外の御相談でも対応可能ですので、一度面談だけでも行なってみたい方は初回面談無料ですのでご遠慮なくお申し付け下さい。
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