コラム
出勤しない非常勤役員の報酬、いくらまで出しても大丈夫?

出勤しない非常勤役員の報酬、いくらまで出しても大丈夫?

※このコラムは「三井住友カードBiz」2026年2月号に掲載されます。


経営において、役員報酬の設定はいつの時代も悩ましいテーマです。特に多いのが、「実質的に出勤していない(勤務実態が少ない)役員にどこまで報酬を払ってよいのか」という相談です。
今回は、非常勤役員への報酬金額の考え方について解説します。


【1】非常勤役員への報酬目安

法人税法上は、常勤役員と非常勤役員を分ける明確な基準はなく、また、役員報酬の適正金額の基準もありませんが、非常勤役員への報酬金額を争った過去の裁判の判例から、月5万円~15万円ほどの役員報酬であれば損金算入を否認されるリスクの低い、安全な報酬金額と言えます。(平9.9.29裁決、裁決事例集No.54 306頁)(平17.12.19裁決、裁決事例集No.70 215頁)


これは、役員であるだけで会社運営について責任があり、何かあった場合に対応等が必要になるため、その「責任に対する対価としての報酬」という考え方に基づくものです。
(※月5万~15万円であれば絶対に否認されないと保証するものではありません。)


なお月5万円~15万円以上の金額を支給したい場合は、何かしらの業務を行い勤務実態を整えるか、下記「【3】非常勤役員に高額な報酬を支払う方法」を検討する必要があります。
また仮に月額50万円の役員報酬を支給していたが、税務署より適正な役員報酬が15万円と認定された場合には、差額の月額35万円については経費にならず、法人税及び加算税・延滞税が課されることとなります。


【2】未成年者・学生への役員報酬は要注意

未成年者や学生に対する報酬には、より厳しい目が向けられます。過去の裁判例では、13~16歳のお子様を取締役として役員報酬10万円を支払ったものが否認された例もあります。
[東京地裁 平成8年11月29日(税務訴訟資料221号 7824頁)]
この例では、本人の年齢や学生であること、さらに海外留学でほぼ日本に不在であったことから、法人の経営状況を把握し、経営実務に従事していたとは認められないとされました。上記より未成年者・学生への役員報酬の支給は特に慎重に検討する必要があります。


【3】非常勤役員に高額な報酬を支払う方法

上記「【1】非常勤役員への報酬目安」では月額報酬は5~15万円が目安とお話ししましたが、条件を満たすことでより高額な報酬を非常勤役員へ支払うことが出来ます。 それは、役員報酬とは別に「債務保証料」を支払うという方法です。会社が銀行借入を行う際、役員が個人で債務保証を行っている場合、その保証の対価(保証料)として、借入金額の1%を目安に受け取ることが出来ます。
(平成10(行ウ)6 法人税賦課処分等取消請求事件・平成12年11月27日 宮崎地方裁判所)
例えば借入金額が10億円の場合は、10億円×1%=年間1,000万円の債務保証料となるので、多額の借入の債務保証を行っている非常勤役員がいる場合は特に有効です。


【おわりに】

いかがでしょうか? 米本合同税理士法人では、非常勤役員の報酬設計について、「適正な金額設定」から「より効果的な支払い方法の検討」まで、幅広くご相談を承っております。ご不安な点がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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