コラム
クラウド会計ソフト導入を検討されているお客様へ

クラウド会計ソフト導入を検討されているお客様へ

※このコラムは「三井住友カードBiz」2021年6月号に掲載されます。


米本合同税理士法人では、お客様のニーズに合わせて複数社の会計ソフトに対応しています。ここ数年は従来のPCインストール型の会計ソフトに加えて、クラウド型の会計ソフトを選択するお客様も増えてきました。
今回はクラウド会計ソフトの導入にあたり、参考にしていただきたい情報をまとめましたのでお伝えします。


■クラウド会計ソフトを選ぶメリット

1.入力の自動化で手間を省くことができる

銀行口座やクレジットカードの明細情報を、インターネットを通じて自動取得し、あらかじめ指定しておいたルールに従って自動で仕訳を行えます。対応するPOSレジや、大手通販サイトの売上情報を連携して仕訳を作成することもできます。入力の二度手間や転記ミスを防止でき、手入力を大幅に減らすことで会計業務の手間を省けます。

2.インターネットにつながる環境があれば利用できる

インターネットにつながる環境があれば利用できるので、場所を選ばずに利用できます。在宅勤務などのリモートワークにも柔軟に対応が可能です。基本的にパソコンの機種やOSを問わずに利用できるので、新たに専用の機器を用意する手間もかかりません。

3.リアルタイムにデータを活用できる

ソフトとデータの両方がクラウド上にあるメリットを活かして、複数台での同時利用ができます。例えば、経理担当者が複数いる企業であれば効率よく業務分担ができます。経営者が自社の資金繰りなどの状況を手元のスマートフォンでリアルタイムに確認するといったことも可能です。

4.経理領域との連携で業務改善ができる

クラウド型の経費精算、請求管理などの機能を組み合わせることで、更なる経理業務の省力化や生産性の向上が可能です。

■クラウド会計ソフトの分類

クラウド会計ソフトは成り立ちにより大きく2つに分類できます。


1.従来のPCインストール型の会計ソフトをクラウド化したもの(MJS、弥生など)

従来のPCインストール型のソフトの使い勝手を踏襲しつつ、クラウド化によるメリットを加えたものです。既存の利用者に配慮して操作性や機能は従来の製品と大きく変わらないように作られています。 既にいずれかの会計ソフトを利用中で、使い慣れた操作方法でクラウド化によるメリットを活用されたいお客様や、基本的な簿記の知識がある方にお勧めです。


2.完全クラウド型として新たに開発されたもの(マネーフォワード、freeeなど)

一般的な会計ソフトの基本要件を備えながら、クラウドを活用して入力を自動化し、手入力をできるだけなくして会計業務の負担を減らすことを目的に作られています。 また、初心者向けの機能として、仕訳作成時にAIを活用した勘定科目選択のサポート機能も備えています。会計と連携する経費精算や請求管理などの機能を標準で一通り備えていますので、これからはじめて会計ソフトを利用する方にお勧めです。


利用料金は、使用する機能や従業員数によって変動します。 クラウド会計ソフトは利用期間に応じて料金を支払うサブスクリプション型のため、買い取り型が一般的なPCインストール型の会計ソフトに比べると割高になります。

また、経費精算などの経理領域の機能は、利用する従業員数に応じて追加料金が必要になるケースが殆どですが、料金に見合うだけのメリットがありますので、会計業務の省力化だけでなく経理業務の効率化も含めて検討してはいかがでしょうか。料金は各メーカーのWebサイトで試算が可能です。


■年間の売り上げが一定規模以上の企業は導入に注意が必要

現状のクラウド会計ソフトはPCインストール型の会計ソフトに比べると操作性が劣ります。また仕訳の入力件数が多くなると処理が遅くなるケースもあります。

クラウド会計ソフトの導入により、日常の入力業務は省力化できますが、年間の仕訳件数が一定の規模以上になりますと、操作性の問題などで月次決算の際に思わぬ時間が取られるなど、逆に業務負担が増えてしまうことも考えられます。 そのような場合は、まずは経費精算や請求管理などの経理領域からクラウド化し、会計処理は従来のPCインストール型の会計ソフトを使う方法もご検討ください。 最近はPCインストール型の会計ソフトでも、銀行口座やクレジットカードの明細情報を連携できる製品が増えています。

クラウド会計ソフトはメリットだけでなく、制限も多くあります。経理業務の何もかもをクラウドで行おうとすると、業務手順をクラウドに合わせて変える必要もでてきます。 業務規模が大きいと自社だけでの対応が難しいケースも考えられますので、専門のコンサルタントへの相談もご検討ください。


■最後に

クラウド会計ソフトを導入することで、多くのケースで業務の手間を省くことできますが、それで正しい会計処理ができるかは別です。 例えば、仕訳自動化の登録の際に処理方法を誤って登録してしまうと、誤ったまま自動で仕訳が繰り返し登録される恐れがありますし、取込方法を間違えると仕訳が二重で計上されてしまうといったこともあります。他にも、経理初心者の方がAIによる判断を過信すると、処理を誤るケースも考えられます。

現状では、従来の会計ソフトと同様に判断は人が行う必要があるため、利用には正しい経理知識が必要になります。


米本合同税理士法人では各ソフトウェアメーカーの認定パートナーとして、お客様の導入をサポートいたします。導入をご検討の際はぜひご相談をいただければと思います。

米本合同税理士法人 江城 周一

 

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