コラム
国税庁が税務調査にAIを活用して追徴税額の過去最高額を更新

国税庁が税務調査にAIを活用して追徴税額の過去最高額を更新

※このコラムは「三井住友カードBiz」2025年4月号に掲載されます。


国税庁が税務調査にAIを本格導入し、効率的に所得税の税務調査を⾏った結果、2024年6月までの1年間の申告漏れ所得金額の総額及び追徴税額の総額が、過去最高を記録したと発表しました。


■ 所得税の追徴税額は1,398億円と過去最多に

国税庁が昨年11月に公開した「令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」によりますと、2024年6月までの1年間に行われた所得税の税務調査件数は60万5千件で前年より5.1%減少しましたが、所得税の申告漏れを指摘して追徴課税をした額が全国で1,398億円余りに上り過去最多となりました。


1件当たりの申告漏れが高額だった業種も公開されており、最も多かった業種は「経営コンサルタント」で3,871万円、次いで「ホステス、ホスト」が3,654万円、3番目の「コンテンツ配信」が2,381万円となっています。


〇 事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種

順位 業種目 1件当たりの申告漏れ所得金額 1件当たりの追徴税額(含加算税) 前年の順位
1位 経営コンサルタント 3,871万円 1,040万円 1位
2位 ホステス、ホスト 3,654万円 507万円 -
3位 コンテンツ配信 2,381万円 436万円 -
4位 くず金卸売業 2,068万円 683万円 2位
5位 ブリーダー 2,028万円 459万円 3位
6位 焼き鳥 1,657万円 427万円 -
7位 太陽光発電 1,625万円 119万円 8位
8位 内科医 1,621万円 408万円 -
9位 スナック 1,616万円 326万円 18位
10位 西洋料理 1,517万円 288万円 -

※国税庁Webサイト「令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」P11より抜粋


■ 調査先の選定にAIを活用して効率化

調査件数が減少したにもかかわらず追徴税額が過去最多となった理由として、調査先の選定にAIを活用するなど、効率化を図った結果としています。申告漏れがあった事例などを学習させたAIに申告書を読み込ませることで、申告漏れの可能性が高い納税者等を判定し調査先を選定しているとのことです。


■ 法人への追徴税額も3,197億円と直近10年で2番目の高水準

国税庁が昨年11月に公開した「令和5事務年度 法人税等の調査事績の概要」によりますと、2024年6月までの1年間の実地調査件数は前年対比で5.4%減少しましたが、申告漏れ所得金額は9,741億円で24.9%の増加、調査1件あたりの追徴税額も549万円と4.9%増加しています。

なお、追徴税額は0.9%の微減となっていますが、実地調査件数の減少幅を考えますと、法人税・消費税の調査においてもAI等を活用して効率よく調査が行われているものと考えられます。


〇 実地調査の状況

項目 令和4事業年度 令和5事業年度 前年対比
実地調査件数 62,000件 59,000件 94.6%
申告漏れ所得金額 7,801億円 9,741億円 124.9%
追徴税額 3,225億円 3,197億円 99.1%
調査1件あたりの追徴税額 524万円 549万円 104.9%

※国税庁Webサイト「令和5事務年度 法人税等の調査事績の概要」P1より抜粋


■ AIの活用は今後ますます加速

国税庁は2021年に税務行政のDX化を公表してAIの活用を本格化させており、過去最高額を毎年更新しています。
AIは進化を続けており精度の向上も確実視されていますので、税務調査におけるAI活用は今後ますます加速していくものと思われます

参考:税務行政のデジタル・トランスフォーメーション


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