コラム
自社の株価はご存知ですか?非上場株式の評価方法について説明します

自社の株価はご存知ですか?非上場株式の評価方法について説明します

※このコラムは「三井住友カードBiz」2025年5月号に掲載されます。


先代経営者から後継者への株式の承継として用いられるものとして、(1) 譲渡、(2) 贈与、(3) 相続の3つがあり、株式の承継の方法によってそれぞれ、(1) 所得税、(2) 贈与税、(3) 相続税がかかります。

贈与税や相続税は、贈与額や被相続人の財産額によって税率が変わりますので、株価をきちんと把握した上で計画的に行わなければ、多額の納税に繋がる場合があります。

今回は、この評価額の計算方法について説明いたします。


【1】非上場株式の評価方法の決定
非上場株式の評価方法は原則評価と特例評価があり、次のように決定されます。
この表で特例評価となった株主が保有する非上場株式は、「配当還元方式」という方法でします。

【同族グループの範囲】


【2】企業規模の判定
上記の表で、原則評価となった場合には、更に会社規模の判定を行います。
会社規模は従業員数、総資産価額、取引金額の3要素を用いて次の表により決定します。


【3】非上場株式の評価
非上場株式の原則評価には「(1) 類似業種比準方式」「(2) 純資産価額方式」「(3) 1と2の併用方式」の3つの評価方法があり、【2】により判定した会社規模に応じてそれぞれ評価額が決定されます。
また、総資産に対する土地や株式の割合が多い会社など、特殊な会社については会社規模にかかわらず別途評価方法が定められています。
具体的には次の表のようになります。

※Lの割合とは、「類似業種比準方式」を適用する割合をいいます。


【4】各評価方法の説明

(1) 類似業種比準方式
類似業種比準方式とは、評価する会社の配当額、利益金額、純資産額を上場する同業他社の平均の配当額、利益金額、純資産価額と比較して株価を計算する方法です。
この同業他社の平均の数値は国税庁が対象法人をランダムに抽出して算出した数値を使用します。

【一株あたりの計算方法】


(2) 純資産価額方式
純資産価額方式とは、評価する会社の貸借対照表に計上されている資産・負債を相続税評価額に計算し直した場合の純資産価額に基づき株価を計算する方法です。


(3) 併用方式
併用方式とは(1) 類似業種比準方式と(2) 純資産価額方式と併用して株価を計算する方法です。併用する割合については、評価する会社の規模に応じて変わります。


(4) 配当還元方式
評価する会社の配当率をもとに株価を計算する方法です。
配当がない場合(1株当たりの配当金額が2.5円未満のものも含みます。)には、1株当たり2.5円の配当があったものとして計算します。


【5】株価を下げるためには?
非上場株式は時価がないため、毎年利益が出れば評価額もその分上がります。
この利益を一時的に損失にすることができれば株価を下げることが可能になります。
損失を一時的に出す方法としては次のようなものがあります。
(1) 役員退職金の支給
(2) 決算賞与の支給
(3) 地代家賃等を年払いに変更
(4) 回収不能債権の貸倒処理
(5) 遊休資産の除却
(6) レバレッジドリース 等


また、非上場株式の評価額は純資産価額方式よりも類似業種比準方式の方が株価が低い傾向にあります。
従業員数の増加や、売上規模の増加、純資産の増加により類似業種比準方式の割合を増加することにより、株価が低くなる場合もあります。


弊社では、非上場会社の株価評価と対策の支援も行っております。
ご興味ございましたらお気軽にご連絡ください。


 

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